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プレス加工のマッチングに関する4つのポイント

マッチングとは、特に順送プレス加工の中では登場回数が多くなりますが、パンチが交差して作られるつなぎ目部分や形状、またはつなぎ目箇所に設けられるバリ防止のための凹みを指します。

製品と製品のつなぎ目部分においては、特にバリが発生しやすくなります。また、パンチの数が増えれば増えるほど、マッチング箇所も増加してしまい、バリが発生しやすくなります。そのため、複雑形状であったり、ピッチが細かいコネクタ端子部品では、特にマッチングに注意しなければなりません。

ここではプレス加工におけるマッチングに関する基礎情報からマッチングに関する4つのポイント、また薄板プレス加工センターならではのプレス加工の特徴、最後に当社のプレス加工実績まで、まとめてご紹介いたします!

 

 

プレス加工におけるマッチングとは?

マッチングとは、特に順送プレス加工の中では登場回数が多くなりますが、パンチが交差して作られるつなぎ目部分や形状、またはつなぎ目箇所に設けられるバリ防止のための凹みを指します。

 

順送プレス加工では、金型内で板材がつながった状態で送られ、複数回加工されます。この複数回のプレス加工により、順送プレス加工では製品の自由度も高くなる一方で、パンチの形状や配置、プレス加工の順番に関しても、金型設計者による自由度が高くなります。順送プレス加工をする際には、どのように板材をプレス加工していくか、というレイアウト設計を行いますが、このレイアウト設計の自由度が高くなるのです。

一方、この順送プレス金型のレイアウト設計の高い自由度によっては問題が起こる可能性も高くなります。その1つがマッチングです。

 

順送プレス加工では、製品の外形や穴は、通常は一度で加工せずに、下記のように複数回に分けて抜き加工をします。赤い部分がパンチで抜く箇所です。

 

板材が送られながら複数回加工されるため、パンチとパンチが交差する切りつなぎ部分が発生します。3回目の赤いパンチは、1,2回目のパンチ部分と公差する箇所が発生しています。

このつなぎ目部分、交差する箇所をマッチングと言います。

 

 

製品と製品のつなぎ目部分においては、特にバリが発生しやすくなります。同じ直線を次のパンチで抜き加工しようとしても、少しでもステージやパンチ位置がずれてしまうと、わずかな段差が発生してしまいますが、この段差がバリにつながってしまい、製品の安全性や金型の摩耗など、様々な悪影響が生じてしまいます。

また、パンチの数が増えれば増えるほど、マッチング箇所も増加します。そのため、複雑形状であったり、ピッチが細かいコネクタ端子部品では、特にマッチングに注意しなければなりません。

 

このようなつなぎ目部分に対して、あらかじめ凹みを設けるようにレイアウト設計を行う場合もあります。そして、この凹み形状をマッチングと呼ぶ場合もあります。つなぎ目部分は、順送プレス加工においてはどうしても発生してしまうものなので、凹みをつけるかどうかは、順送プレス加工業者や金型設計業者との綿密な打ち合わせのもとで決定する必要があります。

 

 

プレス加工のマッチングに関する4つのポイント

薄板プレス加工でマッチングに関するポイントは、下記の4つで大きくまとめられます。

① マッチング箇所における部品と製品への影響
② スクラップ形状を考慮する
③ 抜きのレイアウトを工夫する
④ 抜きのクリアランスを調整する

 

①マッチング箇所における部品と製品への影響

 マッチング箇所は通常の抜き箇所に比べてパンチの摩耗が非常に大きくなります。そのため、生成されるバリも大きくなりやすく、リシャープまでのスパンも短くなってしまいます。

当社では、金型レイアウト設計を検討する段階で、製品の使用用途などをお客様にヒアリングさせていただいた上でレイアウト設計をいたしますので、重要な部分にはマッチングが生じないような金型設計を心がけております。

また、当社で取り扱う薄板プレス加工品は、特に板厚が薄かったり、ピッチが細かく、細いコネクタ端子部品も多くなっています。形状が細く細かい箇所に関しては、複数回の順送プレス加工で抜き加工をするため、マッチング箇所も発生しやすくなります。そのため細心の注意を払いながら、1つ1つの順送プレス金型の設計を行っております。

 

②スクラップ形状を考慮する

 マッチング箇所のスクラップは、出来るだけ薄くならないような抜き形状にする必要があります。特に前後の工程でのマッチングの交差角度は鋭角にならないように考慮しなければいけません。 交差角は出来るだけ90°に近づける事が望ましいです。当社では、お客様のご要望や製品仕様によりますが、 場合によっては製品形状の変更提案も行っております。

 

③ 抜きのレイアウトを工夫する

抜きのレイアウトを構成する上で、必要以上に抜きを分割せずに、マッチング箇所を少なくすることもマッチングにおけるポイントの1つです。部品の強度や製品との兼ね合いもあるので、品質と生産性への影響を総合的に判断した上でマッチングや抜きレイアウトを工夫する必要があります。

 

④ 抜きのクリアランスを調整する

 マッチング箇所は非常にバリが出やすいため、通常抜きのクリアランスを採用するとバリが大きくなる可能性があります。そこで、マッチング部のみをクリアランス変更することで、バリの発生を抑制できる場合があります。当社でも、最適なクリアランスに調整することで、高精度な薄板プレス加工ができるような、順送プレス金型の設計を行っております。

 

 

当社ではこのように、高精度な薄板プレス加工を行うためのノウハウを社内にて蓄積し、お客様に還元しております。抜きバリやマッチング、クリアランスなど、細かなノウハウも多くなりますが、その積み重ねこそが技術の結晶となり、どこにも負けない高精度な薄板コンタクト製品となるのです。

>>抜きバリを抑えるための4つのポイント

>>コンタクトのプレス加工における6つのポイント

>>順送プレス加工における4つの反り対策方法とは?

 

 

 

薄板プレス加工センターの薄板プレス加工の特徴

薄板プレス加工センターを運営する株式会社ナカトガワ技研では、これまでに様々な薄板プレス加工を行ってまいりました。業界としては、電子機器業界から自動車、産業機器向けに、国内外問わず様々な場所で当社製の薄板プレス加工品が使用されています。

板厚は0.05mmまでの薄いコンタクトの製造実績もございます。またピッチに関しても、0.35mmといったマイクロピッチコンタクトも多数製造実績がございます。

形状に関しては、単純な抜き形状から、先端部分を曲げ加工したR接点形状や、芯金が入らないバネ構造、高精度曲げ加工によるBOX・シェル形状のような、様々な形状の薄板プレス加工品を製造してまいりました。

当社では、ロット1万~300万の薄板部品の試作プレス加工から、試作順送金型、量産順送金型まで一貫生産を行っております。特に試作順送プレス金型に関しては、多くのお客様から好評のお声をいただいております。

>>お客様の声を見る

 

量産金型

 

 

こちらの記事では、順送プレス加工のスケルトンについて解説しております。当社の強みの1つを徹底解説しておりますので、ぜひご覧ください!

>>順送プレス加工のスケルトンとは?動画でスケルトンをご紹介!

 

こちらの動画では、薄板プレス加工センターの順送プレス加工をスケルトンをもとにご紹介しております。

 

 

 

 

薄板プレス加工センターの高精度薄板プレス加工品の製品事例

続いて、薄板プレス加工センターによる製品事例をご紹介いたします。

C5212R-EH製 コンタクト

C5212R-EH製 コンタクト

 

こちらは、リン青銅(C5212R-EH)製のコンタクトです。板厚は0.045mm、ピッチは5.8mmで、試作順送金型にて製造いたしました。

こちらのコンタクトは、中央接点の溝幅が0.05mm、接点高さが±0.005、曲げ高さが±0.01という、要求度の高いプレス加工品でした。当社では、お客様とのお打ち合わせを重ねながら、このようなプレス加工品の試作開発を行っております。

 

>>製品事例はこちら

 

 

R接点形状付き スイッチコンタクト

R接点形状付き スイッチコンタクト

 

こちらは、電子機器業界で使用されるリン青銅(C5210R-SH)製のスイッチコンタクトです。板厚は0.15mm、ピッチは18mmで、量産順送金型にて製造いたしました。

拡大写真だとおわかりいただけますが、こちらのスイッチコンタクトでは先端が滑らかなR接点形状となっています。順送プレス加工をする中で曲げ加工を行い、先端形状を加工しておりますが、この端子のばらつき管理をするのが非常に困難でした。

 

>>製品事例はこちら

 

 

内視鏡用コネクター①

内視鏡用コネクター①

 

こちらは、医療業界で使用される、板厚は0.3mmのリン青銅(C5210R-H(HP) )製の内視鏡用コネクターです。

当製品の形状は特段難しいものではありませんが、円筒状のモールド部品と重ね合わせるため、曲面時の寸法合わせが難しい製品製品です。

 

>>製品事例はこちら

 

 

 

薄板プレス加工センターでは、順送プレス金型の試作に関する資料を公開中!

 

薄板プレス加工センターを運営する株式会社ナカトガワ技研が作成した、数種類のハンドブックをすべて無料でダウンロードできます。順送プレス金型や薄板プレス加工など、幅広く設計者の方々のための情報をまとめています。1つだけの資料ダウンロードから、すべてまとめてダウンロードもできます。

1分でフォーム登録完了、すぐに資料をダウンロードできます!興味のある資料を以下よりダウンロードしてみてください!

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プレス加工のことなら、薄板プレス加工センターまで!

薄板プレス加工センターを運営する株式会社ナカトガワ技研は、宮城県石巻市で順送プレス金型の製造をつづけて35年、「知る人ぞ知る」東北最大手の試作順送金型メーカーです。

当社では、金型製造やプレス加工に必要な設備が全て整った設備体制により、金型の設計製造から検査、プレス加工まで一貫して行うことができます。

またナカトガワ技研の加工技術は、米粒ほどの大きさにも加工することができるのは当たり前。そのような高精度加工を安定的に行う当社の技術力こそが、高精度金型部品加工を実現するためのポイントです。

さらに当社では、累計3,000型の順送金型の製作実績があり、今までの試作品をスケルトンとして全てサンプル保存しております。この蓄積されたサンプルにより構築された当社のアイデア力で、お客様のご要望に応えて様々な金型形状を生み出します。

>>薄板プレス加工センターをもっと知る

 

ナカトガワ技研では、板厚0.03~1.0mmの薄板順送プレス加工を得意としております。 特に試作~中量産用の試作金型の設計・製造に強みがある当社は、試作・中量産のプレス加工にも対応しております。この領域のプレス加工では、当社は負けない自信があります。

薄板プレス加工にお悩みの方、順送金型にお困りの方は、まずは薄板プレス加工センターまでお気軽にご相談ください。

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