こちらは、非常に硬いC5210RHQ-XSHというバネ用リン青銅かつ、板厚よりも小さな曲げR部がある難易度の高い薄板プレス部品に対して、曲げ工程を分割することで高精度プレス部品の製造を可能にした、技術提案事例です。
Before:非常に硬いバネ用リン青銅で、スプリングバック&クラックが発生してしまう..。
お客様からは、C5210RHQ-XSH製の端子の製造について、ご相談いただきました。このC5210RHQ-XSHというリン青銅は、非常に硬い材料として知られており、クラックが起きやすい点についてはお客様も課題として認識されていました。
また今回ご依頼いただいた製品が、2カ所の曲げ加工が必要な形状でしたが、小さい曲げR部分が板厚の1/2である0.075mmとなっており、精度が求められつつ、かつクラックも考慮しなければなりませんでした。
また大きい曲げR部分についても、このC5210RHQ-XSHという材質の特性上、スプリングバックが発生してしまうため、そこを考慮する必要がありました。
After:曲げ工程を分割することで非常に硬いバネ用リン青銅の高精度プレス加工を実現!
薄板プレス加工センターでは、様々な条件を整理した結果、材質はそのまま、曲げ工程に工夫を凝らすことで、クラックの発生を抑えてプレス加工することに成功いたしました。具体的には、通常では1発で曲げ加工して完成させるところを、曲げ工程を分割してプレス加工するようにいたしました。こうすることで、特にトップの部分の小さな曲げR部が割れにくくなりました。
今回の提案ポイント:材質特性や形状を考慮した、順送プレス金型の最適なレイアウト設計
今回の薄板プレス加工品においては、材料の硬さと、小さな曲げR形状という2点が大きな課題でした。
当サイトを運営するナカトガワ技研では、材料が硬く戻りが大きくなってしまう材料であっても、その材料特性を正確に把握した上で、最適な曲げ工程のレイアウト設計をした順送プレス金型を製造することができます。またR部が小さく割れやすい微小曲げ加工も、工程数を増やして分割曲げ加工にするなど、形状面からも最適な順送プレス加工のレイアウト設計をいたします。
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薄板プレス加工センターを運営する株式会社ナカトガワ技研は、宮城県石巻市で順送プレス金型の製造をつづけて35年、「知る人ぞ知る」東北最大手の試作順送金型メーカーです。
当社では、金型製造やプレス加工に必要な設備が全て整った設備体制により、金型の設計製造から検査、プレス加工まで一貫して行うことができます。
またナカトガワ技研の加工技術は、米粒ほどの大きさにも加工することができるのは当たり前。そのような高精度加工を安定的に行う当社の技術力こそが、高精度金型部品加工を実現するためのポイントです。
さらに当社では、累計3,000型の順送金型の製作実績があり、今までの試作品をスケルトンとして全てサンプル保存しております。この蓄積されたサンプルにより構築された当社のアイデア力で、お客様のご要望に応えて様々な金型形状を生み出します。
ナカトガワ技研では、板厚0.03~1.0mmの薄板順送プレス加工を得意としております。特に試作~中量産用の試作金型の設計・製造に強みがある当社は、試作・中量産のプレス加工にも対応しております。この領域のプレス加工では、当社は負けない自信があります。
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