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高耐熱コネクタとは?高耐熱コネクタに求められる機能とプレス加工技術について解説!

車載用部品向け NKC286製コンタクト

高耐熱コネクタは、過酷な高温環境での使用に耐えるために設計されたコネクタです。コネクタの種類や用途によって、その耐熱性能や仕様は大きく異なり、使用される材料や構造も多様です。特に、200℃を超える高温環境で使用されるものや、車載部品や電子機器の発熱対策として求められる125℃対応のコネクタなど、高い耐熱性を持つ製品が増えています。

本コラムでは、高耐熱コネクタの定義や技術的な課題、さらに当社だからこそ可能な高耐熱コネクタに求められる順送プレス加工技術について詳しく解説します。

 

高耐熱コネクタとは?

高耐熱コネクタは、高温環境下での使用に耐えるために設計されたコネクタです。高耐熱コネクタは、コネクタの種類や用途に応じて、高耐熱コネクタの定義や仕様、その耐熱性は大きく異なります。

例えば、ヒータや加熱炉など、200℃以上の高温環境で使用されるコネクタでは、セラミック系絶縁材や耐熱性の高いプラスチック(PEEKなど)が使用され、金属部分にはステンレスなどの高耐熱合金が採用されます。

一方、汎用機内配線用のコネクタでは、60℃定格が標準となり、80℃や105℃の製品が「高耐熱」として扱われます。これらは「ナイロンコネクタ」とも呼ばれ、旧来の材料をベースにした設計が多いです。このように、コネクタの種類によって耐熱性の基準が大きく異なります。

 

機器内で使用される基板接続用のコネクタでは、通常80℃が汎用的な定格温度ですが、より高い耐熱性が求められるようになり、125℃対応品が「高耐熱コネクタ」として扱われることが一般的です。特に車載部品や電子機器の高機能化に伴う発熱の増加に対応するため、125℃対応のコネクタは今後さらに需要が高まると考えられます。

また高耐熱コネクタは、連続使用温度が高いものが一般的ですが、実装プロセスなどで短期間に高温にさらされることもあります。そのため、短期耐熱と長期耐熱の双方に対する耐性が求められます。

 

高耐熱コネクタに求められる課題

コネクタの耐熱性に関する課題は、主に以下の3つに集約されます。

  1. 熱による変形や溶解:プラスチック部品の変形やメッキの溶解など。
  2. 成形時のひずみ:金属のバネ特性の劣化やプラスチック材料の反り。
  3. 化学反応の活性化:高温での金属の酸化やプラスチックの脆化。

特に金属部品であるコネクタ端子については、2と3が求められます。まず成形時のひずみについては、熱変形によってリードフレームのコプラナリティが消失することで、基板から足が浮いてしまうといった不具合が発生する可能性があります。

またコネクタは原則として、ばね力によって金属同士の接点を作ることで、電気的な接続を成立させています。しかし長時間にわたって高い温度環境下にあり、また応力がかかり続けることで、コネクタのハウジングが変形してしまう恐れもあります。

このように、高耐熱コネクタでは様々な要素において仕様要求が高くなっています。特に当社では、車載向けコネクタ端子のご依頼をいただくことが多くなりますが、組み込みASSY時の精度が求められるため、コネクタ端子においては図面通りの足のバラツキ精度の要求をいただくことが多くなります。

 

高耐熱コネクタのプレス加工におけるポイント

FFCFPC用シグナルコンタクト

高耐熱コネクタのプレス加工におけるポイントは下記の通りです。

  • 圧入を考慮した複雑なコネクタ端子形状への対応力
  • ばね性が高い銅合金の曲げ加工

高耐熱コネクタでは、上記の通りハウジングのような樹脂成形品を考慮した、トータルバランスでの高耐熱や応力、電気的効果を検討しなければいけません。そのためコネクタ端子においては、ある程度複雑な形状の端子が求められることも多くなります。しかしもちろんのこと、形状が複雑なコネクタ端子は対応可能な企業が少なくなります。

また、コネクタ端子にはリン青銅やコルソン銅のような銅合金が使用されることが多くなります。しかし一部の銅合金では非常にばね性や硬度が高く、スプリングバックが起きやすかったり、クラックが起きやすかったり等、加工難易度が難しい材料としても知られています。

 

ナカトガワ技研だからこそ実現できる高耐熱コネクタの順送プレス加工

当サイトを運営する株式会社ナカトガワ技研では、大手コネクタメーカー様をはじめとした、様々なお客様よりホールドダウンの順送プレス加工のご相談をいただいております。当社だからこそのホールドダウンのプレス加工の特徴は下記の通りです。

  • 複雑かつ微細なコネクタ端子の加工実績
  • ばね性が高く曲げ硬度が高いコルソン銅の曲げ加工に関する技術力
  • 高精度なプレス加工を実現するための順送プレス金型製作の技術力
  • 試作順送プレス金型による高耐熱コネクタ試作の短納期・高精度・低コスト対応

 

当社は、高耐熱コネクタのような難易度がたかい複雑形状かつ微細形状が求められるコネクタ端子部品の順送プレス加工および金型設計製作において豊富な実績を誇ります。累計3000以上の順送プレス金型を製作してきて培った経験とノウハウにより、複雑な形状で多数回曲げ加工が必要なコネクタ端子であっても、高精度で製造することが可能です。

>>ナカトガワ技研の実績・技術提案力はこちら

 

また当社では、特にリン青銅やコルソン銅のコネクタ端子事例が多数ございます。例えば、C5210RHQ-XSH製の端子の製造について、ご相談いただいたケースについてご紹介いたします。このC5210RHQ-XSHというリン青銅は、非常に硬い材料として知られており、クラックが起きやすい点についてはお客様も課題として認識されていました。薄板プレス加工センターでは、様々な条件を整理した結果、材質はそのまま、曲げ工程に工夫を凝らすことで、クラックの発生を抑えてプレス加工することに成功いたしました。

>>【技術提案】クラックの起きやすいリン青銅は、曲げ加工を工夫して高品質プレスを実現

 

当社では、材料が硬く戻りが大きくなってしまう材料であっても、その材料特性を正確に把握した上で、最適な曲げ工程のレイアウト設計をした順送プレス金型を製造することができます。またR部が小さく割れやすい微小曲げ加工も、工程数を増やして分割曲げ加工にするなど、形状面からも最適な順送プレス加工のレイアウト設計をいたします。

>>順送プレス加工のスケルトンとは?動画でスケルトンをご紹介!

 

薄板プレス加工センターでは、薄板プレス加工を行うための金型を、すべて社内で一貫生産しております。社外に外注してしまうと、どうしても自社では精度を管理しきれません。そのため、品質精度にばらつきが生じてしまいます。また、高精度な金型部品でないと、繰り返しプレス加工をした際に、継続精度が悪化してしまいます。当サイトを運営するナカトガワ技研では、順送プレス金型製造に必要な設備をすべて社内で取り揃えており、品質精度の管理はもちろんのこと、納期面でもお客様に貢献することができます。

>>ナカトガワ技研の品質精度についてはこちら

 

そして当社の最も大きな特徴として、量産前の試作段階において順送プレス金型を用いることで、短納期・高精度・低コストでの高耐熱コネクタの試作が可能です。また試作段階での高精度なフィードバックにより、量産時の品質を保証します。

 

 

当社の試作順送プレス金型の3つの特徴

当社が製造する試作順送プレス金型には、大きく3つの特徴でまとめられます。

 

 

量産精度

当社の試作順送プレス金型では、特に順送レイアウトにこだわった設計をしております。そのため、±0.01程の量産順送プレス金型と同等の精度で試作サンプル品の製品精度を出すことができます。

 

>>試作から量産まで、0.03~1mmの薄板プレス加工に対応いたします。

 

短納期/低コスト

薄板プレス加工センターでは、試作順送プレス金型において標準化システムを採用しております。こちらの標準ダイセットは、当社独自の特許も取得しており、他社では真似できない短納期と低コストで試作順送プレス金型を提供することができます。

標準ダイセットと当社独自の工程集約パーツ加工を組み合わせることで実現しています。

 

生産性

当社の試作順送プレス金型は、準量産対応をすることができます。具体的には、300万pinまでのつなぎ量産対応をすることができます。

 

>>量産プレス金型へのつなぎ対応・更新対応を解決する方法とは?

 

 

試作順送プレス金型の製造における2つのポイント

特に当社の試作順送プレス金型のポイントになっている、標準ダイセットと工程集約パーツに関して説明いたします。

 

標準ダイセットシステム

試作順送プレス金型の製造における2つのポイント 

上写真のように、当社の試作順送プレス金型では、共通ユニットとサブユニット(赤枠)を分割しております。お客様の製品の大きさやピッチ、材幅によってサブユニットの大きさを数種類の中より選択し、サブユニットのみを製作する構造をとっております。またタイプ種類については、レイアウト長毎に7種類を用意して、柔軟な対応ができるようにしております。

 

工程集約パーツ

例として、量産順送用のレイアウトで工程では7工程となっていた薄板プレス加工品を、工程集約をした抜きパンチを製造することにより、6工程を削減して1工程で済むようにした事例がございます。このように、製作する部品数が大幅に削減し、さらに通常は7回の抜き加工で製造していた製品を1回の抜き加工で加工できるようになるため、どこにも負けない短納期と低コストでの金型提供を実現しております。

 

>>工程集約パーツと分割パーツの違いとは?

>>【技術提案】工程集約パーツによるスリット抜き加工でコストダウン

>>順送プレス金型のスケルトンとは?

>>ロット1万~300万の薄板プレス部品の納品実績

 

 

薄板プレス加工センターの薄板プレス加工の特徴

薄板プレス加工センターを運営する株式会社ナカトガワ技研では、これまでに様々な薄板プレス加工を行ってまいりました。業界としては、電子機器業界から自動車、産業機器向けに、国内外問わず様々な場所で当社製の薄板プレス加工品が使用されています。

 

板厚は0.05mmまでの薄いコンタクトの製造実績もございます。またピッチに関しても、0.35mmといったマイクロピッチコンタクトも多数製造実績がございます。

 

形状に関しては、単純な抜き形状から、先端部分を曲げ加工したR接点形状や、芯金が入らないバネ構造、高精度曲げ加工によるBOX・シェル形状のような、様々な形状の薄板プレス加工品を製造してまいりました。

 

当社では、ロット1万~300万の薄板部品の試作プレス加工から、試作順送金型、量産順送金型まで一貫生産を行っております。特に試作順送プレス金型に関しては、多くのお客様から好評のお声をいただいております。

 

>>お客様の声を見る

 

こちらの動画では、薄板プレス加工センターの順送プレス加工をスケルトンをもとにご紹介しております。

 

 

薄板プレス加工センターのコネクタ 製品事例

続いて、薄板プレス加工センターによる製品事例をご紹介いたします。

 

試作プレスフィット端子

試作プレスフィット端子

こちらは自動車業界で使用されるC7025-TM03製のプレスフィット端子です。板厚は0.64mm、ピッチは2.2mmで、試作順送金型にて製造いたしました。

プレスフィット端子は、穴部分の抜き加工が最も難易度が高くなります。こちらのプレスフィット端子についても、板厚0.64mmに対して、幅0.3mmの薄肉へ行う抜き加工で、プレスフィット部の断面対角寸法公差は±0.03mm、さらにプレスフィット部のスリット抜きについては0.5t以下という、高難易度の薄板プレス加工品でした。

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C5240R-XSH製 FPCコネクタ端子 

C5240R-XSH製 FPCコネクタ端子

こちらは、電子部品として使用される、リン青銅(C5240R-XSH)製のFPCコネクタ端子です。板厚は0.08mm、ピッチは0.9mmで、試作順送金型にて製造いたしました。

FPCコネクタ用端子部品は、当社でも多数の取り扱い実績がございますが、今回は最小公差±0.007という高精度なプレス加工品でした。またお客様からは、とにかくコストを抑えてほしいとのことで、ご要望にあわせるために金型をコンパクトにして対応いたしました。

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C5210RHQ-XSH製 曲げR付き圧着端子

C5210RHQ-XSH製 曲げR付き圧着端子

こちらは、リン青銅(C5210RHQ-XSH)製の圧着端子です。板厚は0.15mm、ピッチは5mmで、量産順送金型にて製造いたしました。

このリン青銅は、非常に硬い材料として知られており、クラックが起きやすい点がお客様としても課題認識されていました。しかし当社では、曲げ工程に工夫を凝らすことで、クラックの発生を防ぐことに成功いたしました。

また曲げR部分は板厚の1/2である0.075mmとなり、非常に精度も求められる難易度の高いプレス加工品でした。

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車載向け2段丸め加工コネクタ用端子部品

車載向け2段丸め加工コネクタ用端子部品

こちらは、銅合金(MZC1R-H)製の車載用コネクタ部品です。板厚は0.35mm、ピッチは16.5mmで、量産順送金型にて製造いたしました。

写真の通り2段で行った丸め加工です。丸め公差は±0.025mmで、同軸精度は0.05mmという高精度プレス加工品です。

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3回折り返し曲げコネクタ用端子

3回折り返し曲げコネクタ用端子

こちらは、車載用部品として使用される、リン青銅(C5210R)製の3回折り返し曲げコネクタ用端子です。

3回の折り返し曲げ加工を順送プレス加工にて行っています。この寸法公差が±0.1mmとなり、さらに上面と底面の平行度が0.05、対称度も0.16という高精度なコネクタ用端子部品です。

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コルソン合金製 Box曲げ試作コネクタ端子

コルソン合金製 Box曲げ試作コネクタ端子

こちらの端子は、U曲げ部からバネ形状があり、その先にBOX形状が繋がっている複雑形状製品です。

薄板プレス加工センターは独自の試作順送プレス金型用の標準ベースを、多彩なバリエーションで取り揃えています。そのため、加工ステージ数が40程必要な製品であっても、他社よりも低コストでの製作が可能です。

 

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>>コネクタ用端子の製品事例 一覧はこちら

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薄板プレス加工センターでは、順送プレス金型の試作に関する資料を公開中!

 

薄板プレス加工センターを運営する株式会社ナカトガワ技研が作成した、数種類のハンドブックをすべて無料でダウンロードできます。順送プレス金型や薄板プレス加工など、幅広く設計者の方々のための情報をまとめています。1つだけの資料ダウンロードから、すべてまとめてダウンロードもできます。

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高耐熱コネクタの試作順送プレス加工のことなら、薄板プレス加工センターまで!

薄板プレス加工センターを運営する株式会社ナカトガワ技研は、宮城県石巻市で順送プレス金型の製造をつづけて35年、「知る人ぞ知る」東北最大手の試作順送金型メーカーです。

当社では、金型製造やプレス加工に必要な設備が全て整った設備体制により、金型の設計製造から検査、プレス加工まで一貫して行うことができます。

またナカトガワ技研の加工技術は、米粒ほどの大きさにも加工することができるのは当たり前。そのような高精度加工を安定的に行う当社の技術力こそが、高精度金型部品加工を実現するためのポイントです。

さらに当社では、累計3,000型の順送金型の製作実績があり、今までの試作品をスケルトンとして全てサンプル保存しております。この蓄積されたサンプルにより構築された当社のアイデア力で、お客様のご要望に応えて様々な金型形状を生み出します。

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ナカトガワ技研では、板厚0.03~1.0mmの薄板順送プレス加工を得意としております。 特に試作~中量産用の試作金型の設計・製造に強みがある当社は、試作・中量産のプレス加工にも対応しております。この領域のプレス加工では、当社は負けない自信があります。

薄板プレス加工にお悩みの方、順送金型にお困りの方は、まずは薄板プレス加工センターまでお気軽にご相談ください。

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