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プレス金型のBCP対策とは?災害・廃業・1社購買リスクから生産を守る選定基準について

試作順送金型製造

 自然災害や感染症、取引先の廃業など、予測不能なリスクが製造業を取り巻く中で、「プレス金型のBCP対策」が大きな注目を集めています。特に順送プレス金型のように量産体制に直結する設備では、万一の停止が生産ライン全体に影響を及ぼすため、金型メーカーの選定そのものがBCP対策の一環となります。

本記事では、プレス金型におけるBCPの基本的な考え方を解説した上で、近隣依存や1社購買が抱えるリスク、BCP視点でのメーカー選定の条件、そして株式会社ナカトガワ技研が選ばれる5つの理由を詳しくご紹介します。

 

 

プレス金型のBCP対策とは?

近年、自然災害、感染症の拡大、地政学リスクなど、予測不可能な事態が頻発する中で、製造業全体において**事業継続計画(BCP:Business Continuity Plan)**の重要性が増しています。特に、生産設備や部品供給に不可欠な「プレス金型」においては、その中核である金型メーカーのBCP対応が、完成品メーカーの安定供給を左右する要因となりつつあります。

BCPとは、突発的なリスクが発生した際に「事業を中断せず、あるいは短期間で再開するための組織的な計画」を指します。プレス金型業界においては、金型の破損・流出・納期遅延などのトラブルが発生した場合、その影響はライン停止や納期未達といった重大な経営リスクへ直結します。

とりわけ、順送プレス金型のように量産工程と密接に関わる金型では、万一の停止によって多くの生産品が影響を受けるため、金型そのもののリスク管理=BCP対策の根幹となります。

 

この記事では、プレス金型におけるBCP対策の基本的な考え方と、実際にどのような視点で金型メーカーを選ぶべきか、さらにはナカトガワ技研がBCPパートナーとして選ばれる理由について詳しく解説いたします。

 

金型調達に影響を与える現代のリスク要因とは?

金型業界を取り巻く環境は、これまで以上に不確実性を帯びています。特に順送プレス金型のように、量産体制に直結する設備部品は、生産ラインの稼働を左右する非常に重要な要素であり、以下のような現代特有のリスク要因が金型調達に深刻な影響を与える可能性があります。

 

【1】自然災害(地震・台風・洪水)

日本は世界有数の自然災害多発国であり、首都直下地震南海トラフ地震などの発生リスクが常に存在します。これらの大災害が発生した場合、主要取引先が被災地域に集中していると、金型の製作・出荷が一時的に完全停止するリスクが現実化します。

 

【2】感染症・パンデミックの影響

新型コロナウイルス感染症の拡大により、多くの金型メーカーが一時的に工場閉鎖生産停止を余儀なくされました。感染症対策の有無、社内体制の整備状況、テレワーク・分散出勤体制などによって、対応スピードに大きな差が出ました。

 

【3】地政学的リスク・サプライチェーン分断

ウクライナ戦争や中国経済リスクなど、国際情勢の変化も金型業界に影響を及ぼしています。金型部品の一部を海外に依存している場合、物流停止や輸入遅延により調達が困難になるケースもあり、国内体制の強化が急務です。

 

【4】主要取引先の廃業・倒産

金型メーカーの中には、少人数経営や後継者不在などにより、突然の廃業・事業縮小となるケースもあります。継続性が不安定なサプライヤーに依存している場合、その影響は製品供給の停止に直結します。

 

これらのリスクに共通するのは、「一極依存」や「無対策」の状態が大きな事業停止要因になり得るということです。
だからこそ、金型調達においては、自社のBCP対策の一環としての金型サプライヤー選定はもちろんのこと、ただの金型業者ではなく事業継続の視点を持ったBCP対策対応の取引先選定が、今後さらに重要になっていくのです。

 

BCP対策として選ぶべきプレス金型メーカーの条件

プレス金型の安定供給を実現するには、突発的なリスクに強い金型メーカーとの取引が不可欠です。ここでは、BCP対策の観点から金型メーカーを選定する際に重視すべき4つの視点をご紹介します。

 

1. 地理的分散によるリスクヘッジ

災害や感染症が特定地域で発生した場合、地域が限定されているほど被害は集中します。そのため、主要拠点を都市圏に偏らせるのではなく、地理的に分散されたエリアに立地している金型メーカーを選定することで、全体としてのリスクを分散することができます。特に首都圏に生産を集中している企業にとっては、地方立地の協力先を持つことが重要です。

 

2. 技術力と生産対応力のバランス

いくらBCP体制が整っていても、基礎的な技術力が伴わなければ安定的な金型供給は実現しません。逆に、高度な技術力があっても、納期遅延や対応キャパシティの不足があれば、トラブル時に対応できません。重要なのは、一定以上の技術力と柔軟な対応力の両立です。試作から量産までをトータルで任せられるような体制を持つ企業は、BCPの観点でも非常に有利です。

 

3. デジタルデータ管理・金型の再現性

金型製作時に得られた設計データ、加工情報、工程ノウハウなどをしっかりと社内で一元管理し、再現性のある形で保存しているかどうかも、選定時の大きなポイントです。金型破損や流出があった場合でも、過去のデータをもとに短納期で再製作可能な体制を持つ企業であれば、生産停止期間を最小限に抑えることが可能です。

 

4. 品質・納期に対する実直な姿勢と継続性

BCPは一過性の計画ではなく、継続的な改善と信頼の蓄積が求められる分野です。納期の順守率、トライ回数、品質保証体制など、長年にわたりお客様と向き合ってきた実績があり、顧客情報の共有や緊急対応の実績があるメーカーは、BCPパートナーとして非常に有望です。

こうした観点を踏まえ、次章ではナカトガワ技研がBCP対応で選ばれている理由について詳しく解説します。

 

 

ナカトガワ技研がBCP対策で選ばれる5つの理由

ナカトガワ技研は、1985年の創業以来、順送プレス金型の専業メーカーとして、試作・量産の両分野で高い信頼を獲得してきました。その中で蓄積された技術と体制は、単なる製造能力にとどまらず、近年ではBCP(事業継続計画)を重視する顧客企業からの高評価にもつながっています。ここでは、BCPの視点から見た「ナカトガワ技研ならでは」の5つの強みをご紹介します。

 

1. 豊富な製作実績と金型データの蓄積

ナカトガワ技研は長年にわたり多種多様な順送プレス金型の設計・製作に取り組んできました。その過程で蓄積された金型設計図面・製作条件・工程ノウハウなどの技術データベースは膨大であり、すべて社内で管理されています。この情報資産により、万が一金型が破損・流出した場合でも、比較的短期間での再製作・補修が可能となっており、BCP対策として非常に有効です。

 

2. 設計〜加工〜トライまでの一貫体制による迅速対応

金型製作においては、各工程を複数社で分担するケースも多く、災害時や緊急対応時には対応が遅れるリスクがあります。ナカトガワ技研では設計、加工、組立、トライアルまでをすべて社内で完結できる体制を構築しており、外部への依存度が低く、短納期かつ柔軟な対応が可能です。これは、BCPにおいて極めて大きな優位性となります。

 

3. 量産前の徹底したトライ&検証体制

不良品の発生や製品立ち上げの遅延は、金型の精度や検証不足に起因することが多くあります。ナカトガワ技研では、社内設備を用いたトライ・検証工程を徹底的に実施することで、問題点を事前に洗い出し、安定した金型性能を保証しています。この仕組みにより、品質面の信頼性と、トラブル時のスムーズな復旧力が両立されており、リスク低減に大きく寄与しています。

 

4. お客様との密な情報連携と信頼関係

単なる受託加工業者ではなく、“パートナー企業”としての関係構築を重視しているのもナカトガワ技研の特長です。仕様変更、納期調整、トラブル対応などにおいて、お客様と日常的に緊密な情報共有を行い、柔軟に対応する体制が構築されています。特にBCP体制では、サプライヤーとの密な連携が極めて重要であり、その点において同社は高く評価されています。

 

5. 地方立地(宮城県)による地理的リスク分散

ナカトガワ技研は宮城県石巻市に本社・工場を構えており、首都圏や中京圏といった大都市部とは異なる災害発生エリアの分散効果を発揮します。自然災害時に同時多発的な被害を受けにくい立地は、サプライチェーン全体のリスクヘッジにも貢献します。また、東北地方の堅実な労働力と環境にも支えられ、持続的な生産体制が構築されています。

以上の5点により、ナカトガワ技研は“生産ラインを止めない”金型サプライヤーとして、BCP対策を重視するお客様から確かな信頼を得ています。

 

 

薄板プレス加工センターの薄板プレス加工の特徴

薄板プレス加工センターを運営する株式会社ナカトガワ技研は、宮城県石巻市で順送プレス金型の製造をつづけて35年、「知る人ぞ知る」東北最大手の試作順送金型メーカーです。

当社による薄板プレス加工・順送金型の特徴は、主に下記の通りです。

 

様々な薄板プレス製品の加工実績

薄板プレス加工センターを運営する株式会社ナカトガワ技研では、これまでに様々な薄板プレス加工を行ってまいりました。業界としては、電子機器業界から自動車、産業機器向けに、国内外問わず様々な場所で当社製の薄板プレス加工品が使用されています。

板厚は0.05mmまでの薄いコンタクトの製造実績もございます。またピッチに関しても、0.35mmといったマイクロピッチコンタクトも多数製造実績がございます。

形状に関しては、単純な抜き形状から、先端部分を曲げ加工したR接点形状や、芯金が入らないバネ構造、高精度曲げ加工によるBOX・シェル形状のような、様々な形状の薄板プレス加工品を製造してまいりました。

 

>>コネクタとは?特徴と種類について

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>>高耐熱コネクタとは?高耐熱コネクタに求められる機能とプレス加工技術について解説!

 

 

幅広い薄板プレス加工への対応力

上記のような様々な製品の薄板プレス加工に対応するには、薄板プレス加工のノウハウが求められます。特に順送金型を用いた量産前試作から量産段階での薄板プレス加工では、大量生産を前提とした中で、品質とコストのバランスを取った薄板プレス加工の技術が必要となります。詳細は下記をご覧ください。

 

>>リン青銅のC5210とは?プレス加工のポイントについても解説!

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薄板プレス加工のトラブル解決力

順送金型による薄板プレス加工では、バリや反り、カス上がり、打痕などのプレス加工特有の問題も多く発生します。しかし当社では、量産前試作段階での品質・機能確認のための薄板プレス加工品を数多く製作してきた実績をもとに、薄板プレス加工におけるトラブル解決力を磨いてきました。詳細は下記をご覧ください。

 

>>コンタクトのプレス加工における6つのポイント

>>プレス加工のマッチングに関する4つのポイント

>>順送プレス加工における4つの反り対策方法とは?

>>抜きバリを抑えるための4つのポイント

>>カス上がりの原因と対策とは?薄板プレス加工におけるカス上がりについて解説!

>>プレス加工における打痕の原因と対策とは?

 

 

お客様から選ばれ続けるサービス対応力と安心感

当社では、ロット1万~300万の薄板部品の試作プレス加工から、試作順送金型、量産順送金型まで一貫生産を行っております。特に試作順送プレス金型に関しては、多くのお客様から好評のお声をいただいております。

>>お客様の声を見る

 

こちらの動画では、薄板プレス加工センターの順送プレス加工をスケルトンをもとにご紹介しております。

 

>>順送プレス金型のスケルトンとは?

 

 

薄板プレス加工センターの製品事例

続いて、薄板プレス加工センターによる製品事例をご紹介いたします。

 

試作プレスフィット端子

試作プレスフィット端子

こちらは自動車業界で使用されるC7025-TM03製のプレスフィット端子です。板厚は0.64mm、ピッチは2.2mmで、試作順送金型にて製造いたしました。

プレスフィット端子は、穴部分の抜き加工が最も難易度が高くなります。こちらのプレスフィット端子についても、板厚0.64mmに対して、幅0.3mmの薄肉へ行う抜き加工で、プレスフィット部の断面対角寸法公差は±0.03mm、さらにプレスフィット部のスリット抜きについては0.5t以下という、高難易度の薄板プレス加工品でした。

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C5240R-XSH製 FPCコネクタ端子 

C5240R-XSH製 FPCコネクタ端子

こちらは、電子部品として使用される、リン青銅(C5240R-XSH)製のFPCコネクタ端子です。板厚は0.08mm、ピッチは0.9mmで、試作順送金型にて製造いたしました。

FPCコネクタ用端子部品は、当社でも多数の取り扱い実績がございますが、今回は最小公差±0.007という高精度なプレス加工品でした。またお客様からは、とにかくコストを抑えてほしいとのことで、ご要望にあわせるために金型をコンパクトにして対応いたしました。

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C5210RHQ-XSH製 曲げR付き圧着端子

C5210RHQ-XSH製 曲げR付き圧着端子

こちらは、リン青銅(C5210RHQ-XSH)製の圧着端子です。板厚は0.15mm、ピッチは5mmで、量産順送金型にて製造いたしました。

このリン青銅は、非常に硬い材料として知られており、クラックが起きやすい点がお客様としても課題認識されていました。しかし当社では、曲げ工程に工夫を凝らすことで、クラックの発生を防ぐことに成功いたしました。

また曲げR部分は板厚の1/2である0.075mmとなり、非常に精度も求められる難易度の高いプレス加工品でした。

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車載向け2段丸め加工コネクタ用端子部品

車載向け2段丸め加工コネクタ用端子部品

こちらは、銅合金(MZC1R-H)製の車載用コネクタ部品です。板厚は0.35mm、ピッチは16.5mmで、量産順送金型にて製造いたしました。

写真の通り2段で行った丸め加工です。丸め公差は±0.025mmで、同軸精度は0.05mmという高精度プレス加工品です。

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3回折り返し曲げコネクタ用端子

3回折り返し曲げコネクタ用端子

こちらは、車載用部品として使用される、リン青銅(C5210R)製の3回折り返し曲げコネクタ用端子です。

3回の折り返し曲げ加工を順送プレス加工にて行っています。この寸法公差が±0.1mmとなり、さらに上面と底面の平行度が0.05、対称度も0.16という高精度なコネクタ用端子部品です。

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コルソン合金製 Box曲げ試作コネクタ端子

コルソン合金製 Box曲げ試作コネクタ端子

こちらの端子は、U曲げ部からバネ形状があり、その先にBOX形状が繋がっている複雑形状製品です。

薄板プレス加工センターは独自の試作順送プレス金型用の標準ベースを、多彩なバリエーションで取り揃えています。そのため、加工ステージ数が40程必要な製品であっても、他社よりも低コストでの製作が可能です。

 

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>>コネクタ用端子の製品事例 一覧はこちら

>>製品事例一覧を見る

 

 

薄板プレス加工センターでは、順送プレス金型の試作に関する資料を公開中!

 

薄板プレス加工センターを運営する株式会社ナカトガワ技研が作成した、数種類のハンドブックをすべて無料でダウンロードできます。順送プレス金型や薄板プレス加工など、幅広く設計者の方々のための情報をまとめています。1つだけの資料ダウンロードから、すべてまとめてダウンロードもできます。

1分でフォーム登録完了、すぐに資料をダウンロードできます!興味のある資料を以下よりダウンロードしてみてください!

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順送プレス金型のことなら、薄板プレス加工センターまで!

薄板プレス加工センターを運営する株式会社ナカトガワ技研は、宮城県石巻市で順送プレス金型の製造をつづけて35年、「知る人ぞ知る」東北最大手の試作順送金型メーカーです。

当社では、金型製造やプレス加工に必要な設備が全て整った設備体制により、金型の設計製造から検査、プレス加工まで一貫して行うことができます。

またナカトガワ技研の加工技術は、米粒ほどの大きさにも加工することができるのは当たり前。そのような高精度加工を安定的に行う当社の技術力こそが、高精度金型部品加工を実現するためのポイントです。

さらに当社では、累計3,000型の順送金型の製作実績があり、今までの試作品をスケルトンとして全てサンプル保存しております。この蓄積されたサンプルにより構築された当社のアイデア力で、お客様のご要望に応えて様々な金型形状を生み出します。

>>薄板プレス加工センターをもっと知る

 

ナカトガワ技研では、板厚0.03~1.0mmの薄板順送プレス加工を得意としております。 特に試作~中量産用の試作金型の設計・製造に強みがある当社は、試作・中量産のプレス加工にも対応しております。この領域のプレス加工では、当社は負けない自信があります。

薄板プレス加工にお悩みの方、順送金型にお困りの方は、まずは薄板プレス加工センターまでお気軽にご相談ください。

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