順送プレス加工におけるスケルトンとは、試作時に順送プレス加工がどのように行われたかの形跡を表すものです。順送プレス金型のレイアウト設計がそのままダイレクトに表されるのがスケルトンです。そのため、スケルトンには順送プレス加工のいろはが詰まっているとも言えます。
ここでは、順送プレス加工におけるスケルトンの解説と、スケルトンから見えること、スケルトンの活用方法、そして実際に当社が製造した順送プレス金型のスケルトン事例まで、まとめてご紹介いたします。
順送プレス加工のスケルトンとは?
順送プレス加工におけるスケルトンとは、試作時に順送プレス加工がどのように行われたかの形跡を表すものです。順送プレス金型のレイアウト設計がそのままダイレクトに表される、それがスケルトンです。上記の写真のように、特に当社の行う薄板プレス加工では、薄い金属板を抜き曲げ加工することで、お客様の理想とする形状に仕上げていく必要があります。そのため、スケルトンには順送プレス加工のいろはが詰まっているとも言えます。
スケルトンは、英語ではストリップレイアウト(strip layout)とも呼ばれます。また順送プレス加工については、Stamping, Metal stamping, Progressive die stamping 等、様々な呼ばれ方をしているようです。スケルトンというのは、骸骨という和訳もあるように、内部構造が透けてみることを意味します。そのためスケルトンという言葉は、順送プレス金型の内部でどのような加工がどのような手順で行われているかを示す、という意味で使われています。
順送プレス加工のスケルトンから見えることは?
順送プレス加工のスケルトンについて、その工程を解説いたします。
順送プレス加工では、送りのピッチを安定させるために、まずはパイロット穴の抜き加工を行います。上記の写真の横にも2つのパイロット穴があることが確認できると思います。
その後、ブランク抜き加工を行い、曲げ加工も合わせて行うことで形状を整えていきます。
形状が完成したら、フープ品は巻取りにて回収し、単品での製品はキャリアと製品をつなぐブリッジをカットすることで回収します。
本製品はフープ巻取りにて回収しております。
順送プレス加工のスケルトンの活用方法
順送プレス加工のスケルトンは、主に試作順送プレス金型の製造において活用されます。
ものづくり業界においては、製品を市場へ展開するまでに、試作段階において各評価を行っていきます。特に試作から量産に移る段階では、様々な問題が生じることが多くなります。そのため、各フェーズで評価のポイントも変わってきます。
特にプレス加工の場合は、原理試作(3Dプリンター含む)で製作できたものが、量産では実現できないことも多々あります。そこで重要になる考え方が、量産試作です。
原理試作では、あくまでも機能や形状のみの確認となり、実際の生産を意識した試作工程ではありません。したがって、原理試作からいきなり量産につなげてしまうと、効率的な生産と品質の継続精度という2つの側面から、様々な問題が生じてしまうのです。
そのため試作工程は、原理試作と量産試作で分けて考える必要があります。段階は増えてしまいますが、各段階で繰り返し検証を行うことで、その後のトラブル発生を未然に防ぐことができ、検証結果を踏まえて安定した量産へと移行することができるようになるのです。
量産試作では、バネ圧やメッキテスト、自動機での製造や搬送のテストなど、数百~数千万個という量産を見据えた評価が求められます。この数量での安定した品質の継続精度を確認するためにも、1万個から10万個程度、最大で300万個ほどの試作個数が必要となります。
量産試作では、薄板プレス部品の抜きから曲げまで、すべて試作順送プレス金型にて行います。金型製作費が高くなり、また納期も原理試作よりもかかってしまう点がデメリットとして挙げられますが、量産試作では量産と同等精度で多数の試作品を製造できるため、量産を見据えた評価を行うことができます。
順送プレス加工では、多工程が順送プレス金型内で完結するため、とくにどのプレス工程で問題があるのかを特定する必要があります。その際には、1工程ごとに製品品質をチェックしなければいけませんが、その際にスケルトンが活躍します。
ナカトガワ技研の順送プレス金型・薄板プレス加工品が選ばれる理由
薄板プレス加工センターを運営している株式会社ナカトガワ技研は、宮城県石巻市で順送プレス金型の製造をつづけて35年の、「知る人ぞ知る」東北最大手の試作順送金型メーカーです。
ナカトガワ技研では、板厚0.03~1.0mmの薄板順送プレス加工を得意としております。特に試作~中量産用の試作金型の設計・製造に強みがある当社は、試作・中量産のプレス加工にも対応しております。この領域のプレス加工では、当社は負けない自信があります。
当社の強みは、試作順送プレス金型の一貫生産を行うことができる設備体制、高精度金型部品を製造できる技術力、そこにあわせて「アイデア」を組み合わせることができることです。ナカトガワ技研は創業以来、累計3000型にも及ぶ試作順送プレス金型の製造を行ってきました。その際に発生する試作サンプルをスケルトンとして、数千種類にも及ぶサンプルを保管しております。 このスケルトンは、実績の積み重ねによる産物であり、簡単に真似できるものではありません。
このスケルトンを元にして当社のエンジニアが繰り返し議論をすることで、当社内でアイデアがどんどん醸成されていきます。設計者の想像力と経験が蓄積された数々のスケルトンをもとに、良いプレス工程は継続し、苦戦したプレス工程は改善をするという、順送プレス金型の設計開発プロセス自体が日々進化し続ける体制ができていること、これこそが当社の順送プレス金型や薄板プレス加工品が選ばれ続けている理由であり、当社が自信を持つところです。
>>お客様の想いを形にして、安心いただけるプレス製品をお届けいたします
動画でスケルトンレイアウトをご紹介!
当社のYouTubeチャンネルでは、順送プレス金型のスケルトンを一部公開しております。
薄板プレス加工センターの高精度薄板プレス加工品の製品事例
続いて、薄板プレス加工センターによる製品事例をご紹介いたします。
ソケットホールダウン
こちらは、電子機器業界で使用されるリン青銅(C5210R-EH)製のソケットホールドダウンです。板厚は0.08mm、ピッチは2.54mmで、試作順送金型にて製造いたしました。
こちらのホールドダウンは、曲げ加工をする際の押え範囲が少なく、また変形しやすい製品形状でもあります。写真の通りで曲げが非常に微細なため、曲げ部品の強度が非常に低く破損しやすくなっています。さらに、累積した曲げの寸法公差が±0.01と非常に厳しくなっているのも特徴です。
NKC286R製 圧着端子
こちらは、電子部品向けに使用される、コルソン合金(NKC286R)製の圧着端子です。板厚は0.1mm、ピッチは4mmで、試作順送金型にて製造いたしました。
こちらの圧着端子は、先端の丸目形状の成形が特徴となります。当社では、ノウハウが詰まった試作順送プレス金型によって、同軸精度や真円度の高い丸目形状の曲げ加工を行っております。
薄板プレス加工センターでは、順送プレス金型の試作に関する資料を公開中!
薄板プレス加工センターを運営する株式会社ナカトガワ技研が作成した、数種類のハンドブックをすべて無料でダウンロードできます。順送プレス金型や薄板プレス加工など、幅広く設計者の方々のための情報をまとめています。1つだけの資料ダウンロードから、すべてまとめてダウンロードもできます。
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順送プレス金型、薄板プレス加工のことなら、薄板プレス加工センターまで!
薄板プレス加工センターを運営する株式会社ナカトガワ技研は、宮城県石巻市で順送プレス金型の製造をつづけて35年、「知る人ぞ知る」東北最大手の試作順送金型メーカーです。
当社では、金型製造やプレス加工に必要な設備が全て整った設備体制により、金型の設計製造から検査、プレス加工まで一貫して行うことができます。
またナカトガワ技研の加工技術は、米粒ほどの大きさにも加工することができるのは当たり前。そのような高精度加工を安定的に行う当社の技術力こそが、高精度金型部品加工を実現するためのポイントです。
さらに当社では、累計3,000型の順送金型の製作実績があり、今までの試作品をスケルトンとして全てサンプル保存しております。この蓄積されたサンプルにより構築された当社のアイデア力で、お客様のご要望に応えて様々な金型形状を生み出します。
ナカトガワ技研では、板厚0.03~1.0mmの薄板順送プレス加工を得意としております。特に試作~中量産用の試作金型の設計・製造に強みがある当社は、試作・中量産のプレス加工にも対応しております。この領域のプレス加工では、当社は負けない自信があります。
薄板プレス加工にお悩みの方、順送金型にお困りの方は、まずは薄板プレス加工センターまでお気軽にご相談ください。