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リン青銅のC5210とは?プレス加工のポイントについても解説!

<目次>

・リン青銅とは?

・C5210とは?

・C5210の特徴

・C5210のプレス加工のポイント

・ナカトガワ技研の順送プレス金型・薄板プレス加工品が選ばれる理由

 

リン青銅とは?

リン青銅とは、銅(Cu)を主成分とし、錫(Sn)を含む青銅の種類の一つです。
青銅の脱酸の際に、リン(P)を用いるため、合金中に僅かにリンを含有しています。

青銅との違いは、溶接鋳造時にリンを添加することより脱酸すると同時に、溶湯の湯流れが良くなることで鋳造性を向上させている点です。
リン青銅の強みは強度が高く、バネ性に優れ、曲げ・絞りの加工性が良好な部分です。機械的性質に加えて、電気伝導率も高く、各種コネクタ、リレー(継電器)端子、ペアリングフレーム、ブレード材などの工業製品の素材として広く採用されています。
また、通常の青銅と比較し、音響特性が良いため、管楽器やシンバルなどの材料としても用いられます。

 

C5210とは?

リン青銅は、含有する材料の比率次第で、多くの種類に分けられます。
分ける際に、鋼合金としてJIS規格の材料記号は頭文字がCで始まる四桁記号で表されます。

・リン青銅

C5050:錫1.0~1.7%、リン 0.15%以下、残りが銅

C5111:錫3.5~4.5%、リン 0.03~0.35%、残りが銅

C5102:錫4.5~5.5%、リン 0.03~0.35%、残りが銅

C5240:錫9.0~11.0%、リン 0.03~0.35%、残りが銅

C5212:錫7.0~9.0%、リン 0.03~0.35%、残りが銅

・バネ用リン青銅

C5210:錫7.0~9.0%、リン 0.03~0.35%、残りが銅

C5191:錫5.5~7.0%、リン 0.03~0.35%、残りが銅

 

C5210の特徴

リン青銅自体、展延性・耐疲労性・耐食性が優れている材質です。
そして、高強度、曲げ・絞り加工性・耐摩耗性が高く、非磁性体、めっき・はんだ付が容易、化学的腐食に強いなどの特性がありますが、C5191やC5210は特にバネ性に優れており、バネ材として使用されます。

バネ材として使用されるC5191とC5210の中でも、C5210は低温焼き鈍しによって、材料の製造時からの残留応力を除去した材料となっています。この処理により、C5210は癖が少なく均一性のとれた材料になります。

バネ材として、黄銅やステンレスも使用されることがありますが、黄銅はプレス加工時に粉が吹きやすく、打痕に繋がってしまう恐れがあります。ステンレスも、金型部品の摩耗が早く、メンテナンス頻度が高くなってしまう点があります。他バネ材と比較した際にも、C5210はプレス加工がしやすく、デメリットが無い材質と言えます。

 

C5210のプレス加工のポイント

C5210は、非常に硬い材質として知られ、クラックがかなり起きやすい等の懸念点があります。
例えば、リン青銅の小さい曲げR部分が板厚よりも薄い場合、高い精度が求められ、かつクラックも考慮する必要があります。

また、大きい曲げR部分についても、このC5210の材質の特性上、スプリングバックが発生する可能性があります。
材質をC5210から変えずに、クラックの発生を抑えるためには、通常一回での曲げ加工を行うところを曲げ工程を分割した上でプレス加工を行うことで、小さな曲げR部分の割れを防ぎました。

>>C5210(リン青銅)に関するプレス加工事例はこちら

 

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